仕事への想い
24歳の時から不動産の仕事にたずさわり早20数年
色々な人間模様をみてきましたが
こんなバカな事があっていいのかー
と納得出来ない事がありました。
それは、今から数年ほど前に不動産会社の営業マンとして働いていた時の事です。
そのお客様は、以前アパートの入居をお世話させて頂いたお客さんだったのですが、
持ち家からアパートに住み替えだったので、「どうしたんですか?」とお聞きすると
返事をにごされたので、その時はそれ以上お話ししなかったんですが、それから数ヶ月してそのお客さんから「石岡さん、不動産を売りたいんですけど」と連絡が入りました。
「ヨシ!お客様の為に
少しでもいい価格で売却するどぉ」
と考えながら自宅に伺ったのですが、お話を聞いてみると
以前の持ち家は数年前にいわゆる掘り出し物の中古住宅を仲介で購入されてお住まいだったのですが、住み始めて数年後に近所の人から、その家の一室でなんと事件があった事を聞かされたそうなのです。
専門用語でいう心理的瑕疵(しんりてきかし)があったのです。
※不動産取引における 「瑕疵」 とは言い換えれば 『欠陥』 のことですが、建物の雨漏りや土地の不等沈下など物理的な瑕疵だけでなく、公法上の制限などに由来する法律的な瑕疵、自殺物件や暴力団事務所などが近接することによる心理的瑕疵、さらには周辺環境による瑕疵なども含まれます。
近所の人たちは、みなさんそのお客さんがその辺の事情を知って購入されたと思っていたらしくて、何も知らずに住み続けていたのでした。
あまりのショクに、ご夫婦は真っ青になり、アパートに引っ越されたそうです。
わたしはそんなバカな事があるわけが無いと思ったのですが、
お客様は、購入時の不動産会社や売主に事実の確認をしたところ
「もう何年も前の事だから知らない」
「その分、値段も安くしました。」
などとふざけた答弁しかなかったとの事です。
「これじぁまるで詐欺師じゃー」
と、私は話を聞いて、怒りがこみ上げました。
何も知らないほんとうに人がいいお客さんを掘り出し物ですとかいって売りつけたんです。
同じ不動産業の世界でこんな会社があるのかぁーと愕然ともしました。
もちろんこんな取引は宅建業法違反ですし多くの判例でも売主及び不動産会社は罰せられます。
わたしは、何とかしなければという気持ちでいっぱいでした。
お客さんに「法的手段を取りましょう」とアドバイスしたのですが、
お客様は、「もうゴタゴタしたくない」とおっしゃられ、
律儀にもその不動産会社の名前すらお話になりませんでした。
その後その物件は、建物を解体して更地にして売り出しました。
もちろん事故の件も説明し納得のうえで売ることができたのですが、
解体費用もかかり更地も相場より格段安い価格での処分となりました。
一般の人には、一生で一度の買い物であるはずの夢のマイホームが
まるでテレビドラマの様な悲劇になる事が現実問題としてあるのです。
ほとんどの不動産会社は、
この辺の重要な事項の説明(心理的瑕疵 しんりてきかし)は、きっちりと説明するのですが・・・
正直な話し私自身、こんな極端な話(宅建業違反)ではないにしても、
売り上げを上げんがために、物件のセールスポイントはくわしく説明するが、
マイナス部分(冬は若干日当たりが悪い・平日の昼間に近くの工場の音がする・
小学校がかなり遠いなどなど)は、お客様から聞かれないと答えないくてもいいと思って営業していた事もありました。
売り上げを上げ続けねばならない営業マンのかなしき嵯峨でしょうか?
しかしこの話を聞いた時からどのお客さんには、
とにかくいい話も悪い話も知っている事は、すべて正直に話そうと考えました。
すべてを話すことで、商談がつぶれるかもしれないという不安もありました。
事実つぶれたこともあります。
それでもすべてを話す事で、お客様が納得されるのです。
もちろん宅地建物取引業法の重要事項説明という最低限の説明は義務付けられているのですが不動産のプロとして、そして良識ある人間という意味です。
たとえば、ニュータウンで検討されているお客様には、年をとると買い物も不便になりますし、バス便もいずれは無くなるかもしれませんとか、角地でいい物件ですが
相場よりかなり価格は高いですなどのことです。・・
そういった事がすごく気にされる方も入れば、気にされない方もいらっしゃいました。
そして調べられる事は調べてお伝えする様になってからお客さまから信用されるようになりました。
契約そして物件の引渡をして、お客さんから
「石岡さん一所懸命してくれてありがとう安心して購入できたよ」
というお言葉やお手紙などを頂き、感謝されるようになりました。
一時的な売り上げの為に、大事な「心」をなくす事はできない。
すべてを話すことによってお客様自身が、良い方に行くようにアドバイスするのが私達不動産会社の仕事ではないでしょうか。
意外と不動産業界の営業マンは勉強しているものです。
掘出し物の広告を毎日、目を皿のようして探すのもいいですが、
この人は、と思う不動産会社の営業マンに
あなたも本音で話してみてください。
きっと真剣に相談に乗ってくれると思います。
あなたの本気に、志を感じて・・・・
一般の方が思われているテレビなどに出てくる
悪いイメージの不動産屋さんと
現実の不動産会社は、違うところが多々あります。
あなたにとって良い出会いがあります様に・・・
小さく叩けば小さく響く、大きく叩けば大きく響く・・・・まるで太鼓の様に・・・
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